一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-004
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ポスター発表
雌性ラットにおける日内リズムと摂食リズムの乖離が食餌制限後の生殖機能回復に及ぼす影響
*藤原 智子近藤 優中田 理恵子
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抄録

目的 現在我が国の若年女性間に妊孕性の低下をきたす婦人科疾患の増加が指摘されているが、演者らはこれまで女子大学生を対象とするアンケート調査において朝食欠食が月経困難症を誘発する可能性、および思春期のダイエットが現在のみならず将来の生殖機能にも悪影響を及ぼす可能性を報告し、若い雌性ラットを用いて食餌制限が生殖機能に及ぼす影響を検討してきた。そこで今回は食餌制限中の摂食時間が制限後の生殖機能の回復に及ぼす影響を検討する目的で雌性ラットを用いた検証実験を行った。
方法 8週齢のWistar系雌性ラットを、暗期(活動期)と明期(非活動期)に給餌する2群に分類し、4週間 50%制限食で飢餓状態を負荷した。食餌制限直後(12週齢)および4週間後(16週齢)にsacrificeして卵巣、下垂体、視床下部からRNAを抽出し、マイクロアレイ法および定量RT-PCR法により遺伝子発現変動を解析した。
結果 視床下部におけるGn-RHのmRNA発現が、食餌制限直後には明期(非活動期)群で暗期(活動期)給餌群より有意に低下していたが、4週間の回復後には逆に有意に高くなった。この結果は、制限期に摂食リズムと日内リズムが乖離していた明期(非活動期)群では、リズムが同調していた暗期(活動期)群に比べて卵巣機能不全からの回復が遅れることを示しており、ダイエット中の食事のタイミングがその後の生殖機能の回復に影響する可能性が示唆された。

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