主催: (一社)日本家政学会
会議名: 70回大会(2018)
回次: 70
開催地: 日本女子大学(東京)
開催日: 2018/05/25 - 2018/05/27
方法
鰹節から麹菌を単離し、押し麦と大豆に接種して乾燥し、実験に使用した。この麹菌を豚の生肉や加熱肉に接種し、冷蔵庫、氷感庫帯電、氷感庫放電条件下で培養し、5感による経過の観察、標準寒天培地(ニッスイ)を用いて細菌検査、ハンディ匂いモニター(OMX-LR)による匂い検査を行った。
結果
最初に鰹節から黄色、茶色、緑色の麹菌3菌株を単離した。3種類の麹菌を豚の生肉に接種し、7℃対照、7℃帯電、7℃放電で12日培養し、細菌検査と匂い検査を行った。結果、菌株や電気的条件下で大きな違いがなく、生肉由来の細菌が8日以降増殖した。
そこで肉を高圧滅菌し鰹節緑カビを接種して2℃条件下で26日培養した。結果、緑カビ接種は全て芳香が発生し、発酵が進んでいた。しかしその生育は良くなかった。電気的条件で比べると、放電状態で培養した肉が最も発酵していた。全ての条件下で腐敗臭は発生せず、細菌検査結果は菌数0 cfu/gであった。
次に高圧滅菌した肉を同様条件下に25℃で培養した。結果、7日でカビが肉全体を覆うほど生育した。切断して断面を見ると加熱豚肉の白色と異なり、やや桃色だった。肉を加熱し食してみたところジャーキーのような旨味があった。