一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-026
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ポスター発表
エスプーマ調理法による高齢者向け米粥の調製
*駒込 乃莉子山本 菜美池谷 実紀中山 栞里島村 綾和田 涼子峯木 眞知子
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抄録

【目的】エスプーマ調理法による泡状食は、口当たりがよく口どけのいい料理が得られる。ドイツにおいては、この泡状食を高齢者食として取り入れている。本研究では安全性、起泡性、嗜好性に優れた日本人の高齢者に向けた泡状食を調製することを目的として、テクスチャー特性の測定、配合の検討、官能評価を行った。
【方法】米粥試料の調製は、飯、牛乳、植物性クリーム、卵白、乾燥卵白、味噌、砂糖を使用した。これらをミキサーで破砕・撹拌した試料をエスプーマ用ディスペンサー(東邦アセチレン(株))に入れ、亜酸化窒素ガスを充填後抽出した。高齢者の喫食時間を考慮し、10分、30分放置後の試料の状態やテクスチャー特性を調べた。テクスチャーの測定方法は厚生労働省のえん下困難者用食品の許可基準に準じた。また、5段階評点による官能評価のパネルは本学学生28名で行った。
【結果・考察】エスプーマ調理法により抽出した米粥のテクスチャーは、飯重量の増加に伴いかたさ、凝集性、付着性が、高くなる傾向にあった。卵白や乾燥卵白を配合した場合は、気泡が保たれなかったが、植物性クリームや味噌の使用は有効であった。官能評価の結果、飯重量30 gの米粥が最も好まれた。本研究で調製したエスプーマ調理法による米粥は、えん下困難者用食品の許可基準の範囲内のテクスチャーであり、保形性が良かった。このことより、高齢者の食事として高齢者施設での活用が期待できる。

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