一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2E-02
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口頭発表
タイ・チェンマイにおける洪水経験を伝承する防災絵本の制作ワークショップ
*田中 麻里ジャイムック パポーン
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キーワード: 住環境, 洪水, 伝承, 防災教育
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抄録

目的 防災教育において重要な要因はいくつかあるが、自然の恩恵を享受しながら、自分が住む地域への愛着や誇りを持ち、災害時には主体的に避難できるようにすることが大切である。そのためには、過去に実際にあった災害について知ることが重要であり、日本国内ではいくつかの研究がみられる。本研究では、洪水が頻発するタイ・チェンマイ市内の住宅団地住民を対象として、過去の洪水時の対応に関する実態調査を行い、その結果を含めて子どもたちへ洪水経験を伝承する防災絵本の制作ワークショップを行い、その効果を検証することを目的とする。

方法と結果 チェンマイの住宅団地住民を中心に(66名)過去の洪水時の対応についてヒアリング調査を実施した。その結果を盛り込んだ防災絵本の制作ワークショップを実施した。制作ワークショップの参加者(小学生を中心とする13名)の記入シートをもとに考察を行った。参加者から、今回のワークショップで初めて洪水のことを知った、洪水の原因、避難の様子、避難所として使われた集会所、地域で行われる行事や助け合いなど多くの場面が印象に残った、さらに、住宅団地の歴史を初めて知った、もっと地域のことを知りたいなどのコメントが得られ、洪水の経験を伝えるだけでなく、自分が住む地域への興味や関心を高めることについても一定の効果が検証できた。

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