一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 3K-02
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口頭発表
甘酒飲用による気分改善効果 -主観的気分測定システムを用いた評価-
*杉本 紗羅林 里栄子伊豆 英恵藤井 力片岡 洋祐松原 主典
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キーワード: 酒粕, 甘酒, 気分
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抄録

【目的】近年、発酵食品の健康機能が注目されている。我々は日本の伝統的発酵食品の一つである酒粕の脳機能や老化への影響について検討を進めている。酒粕を利用した代表的な食品として甘酒があり、その機能性にも高い関心が寄せられている。本研究では、甘酒摂取が脳機能に与える影響として、ストレスの緩和に繋がるかどうか被験者の気分を正確かつ簡便に測定できる主観的気分測定システムを用いて検討した。
【方法】甘酒は市販の缶入のものを使用した。甘酒飲用群は、1日1本を週に3日以上飲用することとし、2週間飲用してもらった。対照(非飲用)群(4名)及び甘酒飲用群(6名)共に、実験開始の1週間前から1日6回起床時から就寝時まで、主観的気分測定システム(KOKOROスケール)を利用して、その時の気分(「安心-不安」と「やる気がある-やる気がない」)を入力してもらった。実験終了後、得られたデータを解析した。
【結果】甘酒を摂取していない第1週と比較し、甘酒摂取群では第2, 3週での安心感が増加した。一方、対照群ではそのような効果は見られなかった。やる気については両群共に変化は見られなかった。甘酒の摂取により不安感情が改善する可能性が示されたことから、ストレスの多い現代社会において、甘酒の摂取はストレスの緩和に有効であることが示唆された。
 本研究はSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」によって実施された。

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