肩関節
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筋腱疾患
腱板断裂患者に対するリドカイン注射前後での肩関節動態の検討
祐成 毅森原 徹甲斐 義浩古川 龍平加太 佑吉櫛田 里恵河邉 祥子藤原 浩芳黒川 正夫久保 俊一
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2016 年 40 巻 3 号 p. 906-908

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抄録

 本研究の目的は,腱板断裂患者に対してリドカインテストを施行して除痛を行い,テスト前後における肩関節動態を三次元的に解析し,比較検討することである.対象はインピンジメント徴候が陽性で挙上時痛を有するが,自動肩甲骨面挙上が120度以上可能な腱板断裂患者12例12肩であった.肩峰下滑液包内にリドカインを投与し,注射前後で,Numeric Rating Scale(NRS)を用いて,挙上時痛の程度を評価した.磁気センサー式3次元空間計測装置を用いて,肩甲骨面挙上での肩甲骨上方回旋角,肩甲骨後傾角,肩甲骨内旋角および肩甲上腕挙上角を注射前後で算出した.NRSは注射後有意に低下した(P<0.001).三次元での肩関節動態は,いずれも注射前後で有意差を認めなかった.腱板断裂患者における疼痛は,肩関節動態のパターンに影響を及ぼさない可能性を示した.

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© 2016 日本肩関節学会
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