肩関節
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脱臼
外傷性肩関節前方不安定症に対する鏡視下Bankart&Bristow変法の術中
および術後短期合併症と対策
鈴木 一秀永井 英
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ジャーナル 認証あり

2017 年 41 巻 2 号 p. 438-441

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抄録

 ハイリスク例の外傷性肩関節不安定症に対する鏡視下Bankart&Bristow法の術中・術後早期合併症を検討し,その対策につき考察する事を目的とした.100例103肩(平均年齢19.1才)を対象とした.検討項目は術中の手術器具などのトラブル,術後早期合併症(感染,神経麻痺,肺梗塞,DVT,CRPS)の内容と頻度である.手術器具の破損やDVT,肺梗塞,CRPSなどは無かったが,筋皮神経麻痺を3例に,表層感染や術後血腫をそれぞれ1例に認めた.烏口突起の固定に使用したスクリューがバックアウトし偽関節に至った症例を2例,骨癒合不全を3例に認めた.筋皮神経麻痺は鏡視で確認しているため直接の神経損傷の可能性は低く牽引力によると考えられた.スクリューのバックアウトは2例共100kg以上の体重であり,体格によりガイドピンの刺入方向に関与するPMポータルの位置やスクリュー長に再考を要すると考えられた.

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© 2017 日本肩関節学会
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