肩関節
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筋腱疾患
肩腱板断裂鏡視下手術のJOAスコアと患者立脚肩関節評価法
Shoulder36を用いた治療成績の検討
中原 信一衛藤 正雄
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2017 年 41 巻 2 号 p. 491-493

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抄録

 JOAスコアと患者立脚型評価法であるShoulder36(Sh36)を用いて,肩腱板断裂鏡視下手術の治療成績の比較,検討を行った.一次修復を行い,術前および術後1年にMRIを撮影し評価を行えた65肩(男性48肩,女性17肩)を対象とし,修復群59肩と再断裂群6肩とに分けた.手術時平均年齢は63.2歳/63.7歳(修復群/再断裂群)で,断裂サイズは修復群のみ不全断裂19肩と小断裂1肩で,中断裂は24肩/1肩で大断裂は13肩/3肩であり,広範囲断裂は2肩/2肩であった.共通項目である疼痛,可動域,筋力,ADLについて調査を行った.
 修復群では術前後の両評価法すべてにおいて有意に改善し,再断裂群ではJOAスコアの総点と疼痛のみで有意に改善した.両評価法の術前後については両群間に有意差はなかった.
 再断裂群ではJOAスコアで改善が得られた項目があったが,Sh36では有意な改善はなかった.再断裂患者では術後に改善していない可能性があり,Sh36を用いた評価の必要性が示唆された.

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© 2017 日本肩関節学会
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