2017 年 41 巻 2 号 p. 552-555
【はじめに】5例の棘窩切痕部ガングリオンに対し鏡視下手術を行い,術後成績を報告する.
【対象と方法】5例5肩(男性4例,女性1例,平均年齢47.5歳)を対象とした.再手術症例が1例あった.主訴は肩関節痛が3例,可動域制限が1例,脱力感が1例であった.MRIでガングリオンを認めた5例中,拘縮,肩鎖関節症をそれぞれ1例ずつ合併していた.手術は肩甲上腕関節内または肩峰下滑液包からガングリオンを除去し,合併病変に対しては,鏡視下に処置を追加した.術前および術後1年でJOA score,Constant Shoulder Scoreを検討した.
【結果】JOA score,Constant Shoulder Scoreともに改善した.
【考察】関節唇損傷を伴うガングリオンに対してはone-way valveの破壊のために肩甲上腕関節内からのアプローチは必須であり,さらにガングリオンを完全に取り除き,肩甲上神経を確認し剥離を施行するために肩峰下滑液包からのアプローチを追加することにより術後成績が安定すると考えられた.