肩関節
Online ISSN : 1881-6363
Print ISSN : 0910-4461
ISSN-L : 0910-4461
脱臼
鏡視下Bankart-Bristow変法術後における関節窩骨形態変化の検討
永井 英鈴木 一秀
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 42 巻 2 号 p. 425-428

詳細
抄録

 鏡視下Bankart-Bristow法(以下ASBB法)術後骨形態の変化を3DCTにて計測し,移行した烏口突起と関節窩の骨吸収および骨形成について調査することを目的とした.ASBB法術後3ヵ月と1年時にCT撮影が可能であった37肩中,計測可能であった28肩を対象とした.計測法は,術後3ヵ月と術後1年時それぞれの3DCTにて,移行した烏口突起と関節窩面の合計面積を計測し比較検討した.計測は3回行いその平均値を使用した.検定にはt検定を使用し,P<0.01を有意差ありとした.術後3ヵ月から1年にかけて関節窩全体として面積の減少は一例もなく,術後1年時点で有意に関節窩面積の増加が認められた(P=0.008).ASBB法術後,関節窩は骨形成が促進され面積は増加した.ASBB法術後の烏口突起,関節窩は骨形成が促進し,経過とともに正常の関節窩にリモデリングされるように形態変化する可能性が考えられた.

著者関連情報
© 2018 日本肩関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top