肩関節
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筋腱疾患
腱板大断裂に対するKnotless suture-bridge法と
Knotless double-row suture-bridge法の比較
佐藤 英樹
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2018 年 42 巻 2 号 p. 470-473

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抄録

 腱板大断裂に対する鏡視下Knotless suture-bridge(以下KLSB)法とKnotless double-row suture-bridge(KLDSB)法を比較検討した.対象はKLSB群が17肩(男性10名,女性7名,平均年齢64.0歳),KLDSB群が12肩(男性7名,女性5名,平均年齢67.6歳)であった.検討項目は術前MRIでの脂肪浸潤,手術時間,術後1年のMRIでのcuff integrity,再断裂時期と形態,術前および術後1年のJOAスコアとした.脂肪浸潤は棘上筋のみでKLDSB群が高度で,手術時間はKLDSB群が長かった.再断裂はKLSB群が7肩(41%),KLDSB群が0肩(0%)で有意差を認めた.再断裂の時期は1肩が術後1ヵ月以内,6肩が術後1ヵ月以降6ヵ月以内で,再断裂形態はtype 1が術後1ヵ月以内で再断裂した1肩のみで,他の6肩はtype 2であった.JOAスコアはKLSB群が57.3点から86.6点,KLDSB群が59.5点から92.2点と両群とも有意に改善し,術前,術後1年のJOAスコアに群間差はなかった.腱板大断裂に対するKLDSB法はKLSB法に比較して再断裂率を低下させる有用な術式であった.

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© 2018 日本肩関節学会
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