肩関節
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筋腱疾患
当院におけるスーチャーブリッジ法での鏡視下腱板修復術の治療成績
~内側列における応力集中を回避する試み~
竹内 康剛菅谷 啓之高橋 憲正松木 圭介渡海 守人大西 和友上田 祐輔星加 昭太濱田 博成大西 隆土山 耕南森石 丈二
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2018 年 42 巻 2 号 p. 499-502

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抄録

 当院では内側列における応力集中を避けるために外側アンカー挿入後に内側列縫合を加えており,これをAMK(Abbreviating Medial-row Knot-tying)法とし,スーチャーブリッジ法での鏡視下腱板修復術(以下,ARCR)の全例に用いている.2012年4月から2015年5月までに上記の方法でARCRを施行した腱板完全断裂症例のうち,一次修復可能で術後1年時にMRI検査を行い,術後2年以上経過観察可能であった321例326肩(男性188例,女性133例,手術時平均年齢64歳,平均経過観察期間28ヶ月)を対象とした.術前と最終診察時のJOA,UCLAスコアならびに断裂サイズにおける修復状況,再断裂形態と術後成績の関連性について検討した.JOA,UCLAスコアは術後有意に改善し,再断裂率は17.2%であった.再断裂例においてtype1(F1群)は69.6%,type2(F2群)は30.4%であった.術後JOA,UCLAスコアはF1群に比べてF2群で有意に低く,type 2 failureはインピンジメントや肩関節機能低下を生じる可能性があり,良好な成績を得るために我々の方法は有用と考えている.

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© 2018 日本肩関節学会
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