2018 年 42 巻 2 号 p. 572-576
上腕二頭筋長頭腱(LHBT)の新しい腱固定法として,Endo button ®(Smith & Nephew)を大胸筋近位上腕骨骨髄内にて翻転し腱固定するAll-arthroscopic supra-pectoral unicortical fixation techniqueの結果を報告する.LHBT固定を施行し1年以上経過観察可能であった12例を対象とし,術後1年MRIにて固定腱の損傷の有無と肘屈曲力を患側,健側にて比較検討した.全例で腱固定部損傷を認めず,肘屈曲力は患側平均15.08±3.6 kg(P= 0.224),健側平均16.02±3.4kgと有意差は認めていない.LHBT腱固定に対しEndo button を用いたAll-arthroscopic supra-pectoral unicortical fixation techniqueは有用な方法である.