2019 年 43 巻 2 号 p. 480-482
我々は腱板をDAFF法でfootprintの大結節外側端より内側に縫着しても,bone marrow vent(骨髄穿孔)を追加し,術後6か月において88%の症例において腱板がfootprint外側まで充填されることを報告した.今回,Bone marrow vent併用DAFF法を用いた腱板内側縫着例の術後2年の画像解析を行った.対象は2013年1月より2016年8月まで,鏡視下腱板縫合術を行い,術後2年以降にMRI撮像を行った72肩中,腱板をfootprintの大結節外側端より5mm以上内側に縫着した46肩である.手術はDAFF法を用い大結節部にmarrow ventを加えた.外側アンカー挿入後,腕を一度下垂位とし、糸の緊張を緩めてから結紮した.この際,腱板縫着部位と大結節外側端までの距離をGapとし,Gapが5mm以上のものを内側縫着例とした.術後2年以降にMRI撮像し,再断裂の有無を検討した.
46肩中40肩(87.0%)で腱板欠損部も充填され,修復良好であった.
Bone marrow vent併用DAFF法の術後6か月の修復率は88%であったが,術後2年でも87.0%であり,術後6か月と同様であった.腱板を元付着部まで引き出さずに,下垂位の位置で緊張を緩めて縫合しても良好な修復が得られた.