肩関節
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筋腱疾患
鏡視下腱板修復術後早期の内服薬の違いによる疼痛の評価
中溝 寛之堀江 亮佑川田 明伸
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2019 年 43 巻 2 号 p. 483-486

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抄録

 鏡視下腱板修復(以下ARCR)術後早期における内服薬の違いによる疼痛の推移を検討した.2016年4月から2017年12月までに全身麻酔下にARCRによる一次修復(再手術例を除く)を施行した肩腱板断裂175例(男108肩,女67肩,手術時平均年齢63.0 ± 9.9歳)を対象とした.対象を消炎鎮痛剤(以下NSAIDs)群,トラマドール塩酸塩とアセトアミノフェン合剤(以下TRAM)群,TRAMにプレガバリン(以下PG)を追加したTRAM+PG群の3群に分けた.術前および術後28日目までの疼痛Visual analogue scale(以下VAS),追加消炎鎮痛処置(内服,坐薬)の回数,Complex regional pain syndrome(以下CRPS)様症状の出現について比較検討した.術前VASに有意差はなく術後は28日目まで経時的に低下したが各群間の差は認めなかった.追加鎮痛処置の回数はNSAIDs群1.2回,TRAM群0.7回,TRAM+PG群0.5回でありNSAIDs群とTRAM+PG群の間に有意差を認めた(p = .047).CRPS様症状の出現率に差は認めなかった.TRAMもしくはTRAMにPGを併用した内服薬はNSAIDsの代替治療になり得ると考えられた.

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© 2019 日本肩関節学会
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