肩関節
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脱臼
Remplissage法による肩関節前方制動効果に関する検討
田澤 諒見目 智紀名倉 直重中脇 充章助川 浩士髙相 晶士
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2019 年 43 巻 3 号 p. 688-692

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抄録

 反復性肩関節脱臼に対し鏡視下Bankart修復術(ABR)のみ施行した7肩とABRにRemplissage法(R法)を併用した5肩の術後肩関節回旋動作をCine-MRIで撮像し比較した.撮像動作は肩関節内転位での内外旋自動運動とした.評価項目は肩甲上腕関節の回旋角,肩甲骨軸に対する上腕骨頭中心の前後変位量とした.結果,最大内旋角(ABR単独群:44°,R法併用群:41°),最大外旋角(ABR単独群:18°,R法併用群:25°)ともに両群間に有意差は認めなかった.骨頭中心は最大外旋位(ABR単独群:0.3mm,R法併用群:1.6mm),最大内旋位(ABR単独群:0.2mm,R法併用群:1.3mm)ともに肩甲骨軸の後方に位置しており,R法併用群の方がより後方に位置する傾向にあった.R法併用は回旋角に影響を与えることなく,後方関節包と棘下筋を介した前方制動効果を示す可能性が示唆された.

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© 2019 日本肩関節学会
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