風工学シンポジウム論文集
第25回風工学シンポジウム論文集
セッションID: 10
会議情報

強風による住家被害に及ぼす個々の建物および宅地周辺状況の影響―台風9119号による佐賀県での事例―
*友清 衣利子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

台風等の強風下では,その風速の大きさと建物の被害に関連があることが報告されているが,同程度の風速であっても被害率には大きなばらつきがある.これまでにも精確な住家被害率の推定が試みられてきたが,まだ精度改善の余地がある.推定精度が向上しない要因として,個々の建物の構造特性や周辺環境が検討されていないことが考えられる.本論では,台風9119号で被災した佐賀県内の50戸に対して実施されたアンケート調査に基づき,屋根や開口部被害拡大に及ぼす建物および宅地に関する影響因子と被害程度との関連を調べた.この地域では,建築面積,風向方向の宅地の開放度および建物の棟の向きと屋根の被害程度とに若干の相関がみられた.また,風向方向に面する開口部が雨戸等で保護されていない場合に,飛来物によって破損する事例が多く,開口部の被害は建物が隣接している場合に発生しやすいと考えられる.今後,さらに多くの事例を検討する必要がある.

著者関連情報
© 第25回風工学シンポジウム運営委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top