九州歯科学会雑誌
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総説
歯根膜から見えてくるもの
牛島 直文
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2010 年 63 巻 5.6 号 p. 247-251

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抄録

歯科医学の本来の目的は可能な限り歯を残すことにある.しかし,近年,インプラントの普及に伴い歯を残すことへの関心が極端に薄れてきているように思われる.今回は通常であれば保存不可能と診断されそうな症例に対して,3種類の術式を用いて歯を保存することで,結果として歯根膜の機能を維持できた症例を提示する.1番目は,根尖未完成の歯根膜炎に対してアペキシフィケーションを行った治療例,2番目は,難治性の根尖性歯周炎を根管治療や再植術によって治した症例,3番目は,重度の歯周病に対して移植や再植術を用いた症例,そして4番目は,GTR法やEMDを用いて重度の歯周炎に対して治療した症例を示す.特に,チャレンジケースと思われる移植・再植を成功させる上で注意する点は,1.移植床に炎症がないこと,2.根尖部が完全にシ-ルされていること,3.歯根膜を乾燥させないこと,4.移植時間は出来るだけ短くすること.5.固定は確実にすることなどが注意項目である.

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