九州歯科学会雑誌
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九州歯科大学附属病院における顎変形症治療の連携治療の現状と今後
矯正歯科と口腔外科のコラボレーション
鶴島 弘基
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2024 年 78 巻 3 号 p. RV00002-

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抄録
近年、顎変形症や顎矯正手術に対する社会的認知度の向上により、本邦における顎矯正手術件数は増加傾向にある。本邦においても年間3,000件を超える手術が施行されている。当院においても顎矯正手術件数は増加傾向にあり、今後も重要度の増加が期待される疾患の一つである。  顎変形症治療は、矯正歯科医と口腔外科医のコラボレーションの下に行われる。顎矯正治療を的確かつ円滑に行うためには、特に初診時と術前矯正終了時における矯正歯科医と口腔外科医の間の治療計画の策定とすり合わせが非常に重要である。当院では毎月定例で「顎変形症カンファレンス」を開催し、多くの矯正歯科医と口腔外科医で症例を検討することで、症例の問題点の抽出と治療ゴールの確認を行い円滑な顎変形症治療を目指している。この「顎変形症カンファレンス」は当院における顎変形症治療の質の向上にも寄与していると考える。  また、今後は補綴前治療としての顎変形症治療や、唇顎口蓋裂患者の顎変形症治療が増加してくることも期待されるため、補綴科や唇顎口蓋裂カンファレンス、成長発育カンファレンス等の他科との連携がさらに重要になってくると思われる。
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