九州歯科学会雑誌
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医療的ケア児への取り組みについて
森川 和政
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2024 年 78 巻 3 号 p. RV00003-

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抄録
医療的ケア児とは、医学の進歩を背景として、新生児集中治療室(NICU)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃瘻等を使用し、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことである。現在、医療的ケア児は全国で約2万人いると推計されており、10年前に比べて2倍に増加している。福岡県では約800人、北九州市では200人程度と推計している。 令和3年9月18日に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行された。この法律の基本理念で重要なことは、子どもだけでなくその家族も支援対象であることにある。医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与することを目的としている。 その様な背景の中、医療的ケア児に対する歯科訪問診療の提供体制を拡充することが急務であると考えられる。また医療的ケア児に関わる多くの職種との意見交換の場や、知識・技術の向上の場として、研修会の開催や、広く情報提供を行うことも必要であると考える。
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