抄録
若年層における朝食欠食は生活習慣や健康状態との関連が指摘されており,大学生を対象とした効果的な食育が求められている.本研究では,大学生の朝食摂取に対する関心を高めることを目的として,学生食堂を活用した食育プロジェクトを実施し,その実践内容と教育的効果を検討した.対象は九州歯科大学の学部学生とし,2025年1月から3月まで学生食堂において啓発活動を行った.卓上ポップ14種類を作成し,QRコードから短時間の解説動画を視聴できるようにするとともに,朝食摂取状況に応じたフローチャートポスターを掲示した.さらに,学生の関心を把握するため卓上ポップに対する投票を実施し,事後アンケートを行った.その結果,投票では「ねぎと納豆の卵かけごはん」53票,「明太子トースト」27票とレシピ系内容が高い支持を得た.一方,動画再生回数は14種類中12種類で100回以上確認され,掲示物を契機とした閲覧行動が認められた.事後アンケートでは約7割の学生が本取り組みを通して朝食を食べようと思ったと回答した.以上より,学生食堂を活用した掲示物および動画を組み合わせた食育は,大学生の朝食摂取に対する関心を高める契機となる可能性が示唆された.