九州歯科学会雑誌
Online ISSN : 1880-8719
Print ISSN : 0368-6833
ISSN-L : 0368-6833
オクルーザルスプリント(ナイトガード)の適応 ・具備条件・臨床的ポイント
大森 有樹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2026 年 80 巻 3 号 p. RV00020-

詳細
抄録
オクルーザルスプリント(ナイトガード)は,ブラキシズムなどの有効な治療手段として広く用いられている.しかし,その適応条件や設計,使用,管理については十分に整理されていない.本稿では,筆者が日常臨床から得た知見をもとに概説する. 力のコントロールは,咬合,構造力学,筋活動やブラキシズムなど加わる力の三要素から構成される.オクルーザルスプリントは主として「加わる力」に寄与し,歯根破折や補綴装置の破損などを軽減する.設計においては,筋負担や違和感の軽減のため,可能な限り薄く設計する.犬歯誘導や全歯列への均等な咬合接触の付与,適切なサイズ設定などが重要な設計要件となる.材料に関しては,咬合調整の容易さからソフトよりもハードタイプが推奨される.ヘビーブラキサーには高剛性材料を選択し,破損時の予備も管理しておく.導入は最終補綴装置装着後ではなく,治療初期からが望ましい.咬合治療中は歯列や咬合状態が変化するため,継続的な調整と管理が必要となる.長期的な効果を得るためには,ナイトガードの必要性を初診時から継続的に説明し,毎日の使用を習慣化させるとともに,メインテナンス時に適切な評価と調整を行うことが重要である.オクルーザルスプリントは適切な設計,調整,患者指導のもとで使用することにより,口腔内の健康回復と長期的安定に大きく寄与する.
著者関連情報
© 2026 九州歯科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top