2025 年 23 巻 2 号 p. 61-66
本研究の目的は、虚血性心疾患患者の日常生活における主観的睡眠状況の調査に加えて、客観的睡眠状況を調査し、身体活動との関連を明らかにすることである。対象は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)治療した患者45名とした。PCI治療後に主観的睡眠指標として日本語版ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、客観的睡眠指標としてアクチグラフィ、身体活動の計測として身体活動量計の評価をした。その結果、睡眠効率は生活活動エクササイズおよび3.0~3.9METsの活動強度時間に有意な正の相関があり、中途覚醒時間と4.0~4.9 METsの活動強度時間に有意な負の相関を認めた。中強度の身体活動は、虚血性心疾患患者により良い睡眠をもたらすことが示唆された。一方、主観的睡眠と身体活動の間に有意な相関は認められなかった。高齢患者においては加齢に伴う緩やかな睡眠の質の変化に適応していくため、主観的睡眠の質が比較的良い状態である可能性がある。そのため、虚血性心疾患の進行や再発の予防の観点では、自己申告による主観的睡眠指標のみで睡眠を評価するだけではなく、客観的指標で睡眠を評価し、睡眠を良好に保つための介入が重要であることが示唆された。