抄録
個人の母乳の乳質を知るために、母乳の肉眼と顕微鏡での観察を試みた。用手搾乳された母乳141検体において、初乳は一般に黄色を呈し、移行乳から成熟乳にいたるにつれて白色となった。スライドグラス上の20μlのオイルレッドまたは1%オスミウム中に20μl母乳を滴下し、肉眼と光学顕微鏡で観察した。各々の小型の脂肪滴は鮮明に同定できるが、20μl中に含まれる脂肪滴の量にかなり個人差があった。遠心分離した上層の黄色の部位を走査・透過電子顕微鏡下で観察すると、脂肪滴は球状で、初乳1.5~3.0μm、移行乳2.0~6.0μm、成熟乳2.0~6.0μmであった。脂肪滴は母乳中においても細胞膜に包まれ、脂肪滴同士の融合はみられなかった。