2025 年 199 巻 S 号 p. S59-S78
今後も各地で人口減少が進むことが予想される中で地域の維持とインフラストラクチャーの維持管理が大きな課題となっている。第3次国土形成計画では人口減少下の地域の維持に取り組む主体としてローカルマネジメント法人が提案された。本稿ではこれまで「地域商社」の代表例として注目されながら,行政から委託を受けて水道,バスの事業に取り組んできた(株)吉田ふるさと村に注目し,両事業への取り組みを検証した。その結果,これらの事業に取り組んできたふるさと村は,人口減少が進展する地域において多田憲一郎が議論した「地域的公共関係」と,その基盤の1つである「共同領域」の維持に貢献すると考えられる活動を行ってきたことを明らかにした。但し,両事業は行政からの委託料を財源としているなどのことがあり,ふるさと村の事例は行政と連携することで地域の維持に取り組んでいることに今後のモデルを見出すことができることを議論した。