顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:SPMのフロンティア~多様な材料系の研究ニーズに対応するSPM物性計測の最先端~
大気中・液中で動作する高分解能FM-AFMの開発
粉川 良平大田 昌弘
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 47 巻 1 号 p. 22-25

詳細
抄録

走査型プローブ顕微鏡法(SPM)は,歴史は新しいが,光学顕微鏡,電子顕微鏡に比肩する応用の拡がりが期待される高分解能観察手法である.なかでも原子間力顕微鏡(AFM)は絶縁体試料でも導電性コーティングを施すことなくそのまま観察可能であるため,有機分子材料や生体試料などの観察に有望であるという特徴を持つが,空間分解能ではSTMに及ばないとされてきた.近年,周波数変調AFM(FM-AFM)により,超高真空中では原子・分子レベルの分解能での構造観察が可能になった.我々は,大気・ガス雰囲気中や液中などのさまざまな環境下において,金属,半導体,絶縁体,有機材料などの構造・機能物性評価が原子・分子スケールで可能なFM-AFMを開発した.

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本顕微鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top