2019 年 54 巻 1 号 p. 39-43
皮膚の最外層は,表皮の角化細胞の最終産物である角質細胞と,その間を埋める細胞間脂質,接着因子などから形成され,外界からの物理的,化学的刺激から生体を保護し,水分の蒸散を防ぐバリア機能を担っている.細胞間脂質は顆粒細胞のトランスゴルジネットワークを介して層板顆粒より細胞外へ放出されるが,層板顆粒の構造の3次元的な理解は,従来の解析方法では限界があるため不完全であった.本稿では,最近FIB-SEMを用いることによって明らかとなった,表皮顆粒層の層板顆粒とトランスゴルジネットワークの3次元構造について紹介する.