日本健康教育学会誌
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原著
都市郊外在宅高齢者における身長とBMI区分別にみた3年間の生存日数との関係
星 旦二中山 直子高城 智圭栗盛 須雅子長谷川 卓志井上 直子山本 千紗子高橋 俊彦櫻井 尚子藤原 佳典
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2010 年 18 巻 4 号 p. 268-

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抄録

目的:本研究の目的は,都市郊外の在宅高齢者における,身長とBMI(Body Mass Index)の実態とその後3年間の生存日数との関連を明らかにすることである.
方法:調査対象者は,都市郊外の在宅高齢者20,939名とし,2004年9月に郵送自記式質問紙調査を実施した.分析対象者は,13,460名(回収率64.3%)の中から,転居者501人とID不明者126人を削除し12,833人を分析対象者とした.分析対象者に対して2007年8月31日までの生存と死亡者549名の死亡日を明確にした.身長とBMI区分別に生存日数との関連を解析する方法は,一元配置分散分析を用いた.総合解析では,Cox比例ハザードモデルを用いた.
結果:男女ともにBMI19未満群の生存日数は,BMI19以上の各群に比べて統計学的に有意(P⟨0.001)に短い傾向を示した.また,男性の身長150cm未満群,女性140cm未満群の生存日数は,それ以外の高身長各群に比べて,統計学的に有意(P⟨0.001)に短い傾向を示した.生存日数を規定する要因を総合的にみると,前期高齢者で,BMIが19以上であり,男性では身長150cm以上,女性では140cm以上群が,統計学上有意に生存日数が長いことが示された.一方,学歴は,統計学的に有意な関連が見られなかった.
結論:本研究では,都市郊外在宅高齢者において,前期高齢者で,男性身長が150cm以上群,女性140cm以上群と,男女ともにBMI19以上群の生存日数が有意に長くなる傾向が示された.

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© 2010 日本健康教育学会
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