日本健康教育学会誌
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総説
諸外国における学童・思春期の学校を拠点とした栄養・食教育に関する介入研究の動向
系統的レビューより
衛藤 久美岸田 恵津北林 蒔子三谷 規子
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2011 年 19 巻 3 号 p. 183-203

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抄録

目的:諸外国における学校を拠点とし学童・思春期の児童生徒を対象とした栄養・食教育の動向を把握することを目的とした.
方法:Medline(PubMed)を用い,検索式は “Education” [MeSH] AND (“food habits” [MeSH] OR “food preferences” [MeSH]) AND (“school” OR “school-based” OR “cafeteria”) とし,6-18歳が対象で過去10年間に英語で報告された論文を検索した.325件の表題及び抄録を精査し,本研究の採択基準を満たさない230件を除外した.さらに本文を精査し,最終的に27件の介入研究(小学校17件,中学・高校10件)を採用した.
結果:小学校では児童に加え,家族,学校の教師やカフェテリア等へも働きかけている報告が多い.中学・高校では,生徒のみや生徒と学校の組み合わせが多かった.食行動の評価指標として,食行動の回数,頻度,スコアや食物・栄養素の摂取量があり,質問紙調査法,観察法等が用いられていた.小学校では児童,家族,学校のうち複数に働きかけている方が介入効果がある傾向が見られたが,中学・高校ではそのような傾向はなかった.
結論:学校における栄養・食教育では,児童生徒の年齢に合わせ,教育的アプローチと環境的アプローチを組み合わせることが食行動の良好な変化につながることが示唆された.

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© 2011 日本健康教育学会
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