日本健康教育学会誌
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行動変容のためのソーシャル・マーケティングの活用
上地 広昭竹中 晃二
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2012 年 20 巻 1 号 p. 60-70

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抄録

目的:本稿では,現在,健康教育の分野で注目を集めているソーシャル・マーケティングに関する最新の知見をまとめ,ソーシャル・マーケティングを適切に活用するための方法について論じることを目的とした.
方法:主に,英国ソーシャル・マーケティング・センター,米国疾病予防管理センター,およびウェインレイチ・コミュニケーションズの資料を参考にまとめた.
結果:英国ソーシャル・マーケティング・センターによれば,ソーシャル・マーケティングの基準として「顧客志向」,「行動」,「理論」,「洞察」,「交換」,「競争」,「セグメンテーション」,および「メソッド・ミックス」の8つの要素を満たすことが求められており,これらの要素を活用しながら,「事前調査」,「戦略」,「プログラム開発」,「実行」,および「評価」の手順でプログラムを進めることが有効であろう.
結論:1990年代以降,インターネットなどの情報技術の急速な発達により,ソーシャル・マーケティングを応用した研究を行うにあたって以前ほど大規模な予算を必要としなくなった.そのため,今後ますます,ソーシャル・マーケティング研究の増加が予想されるが,プログラム作成の際は,本稿で紹介したソーシャル・マーケティングの基準および手順を参照することが役立つ.

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