日本健康教育学会誌
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短報
配偶者の健診・検診受診と配偶者への健康に関するソーシャルサポートとの関連
―既婚男性を対象とした検討―
山本 久美子赤松 利恵溝下 万里恵武見 ゆかり
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2012 年 20 巻 3 号 p. 233-240

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抄録

目的:既婚男性を対象に,妻の健診・検診受診に対し,夫からの健康に関するソーシャルサポートが関連しているか,機能別に検討した.
方法:2010年8~9月,A社の全国の健康保険組合員4,861人を対象に,横断的質問紙調査を行った.調査項目は,配偶者が被扶養者か否か,配偶者の最近1年間の健診・検診受診状況,配偶者への健康に関するソーシャルサポート(情動的・情報的・評価的・道具的,各1項目),性別,年齢であった.本研究では,既婚男性966人(有効回答率19.9%)を解析対象者とした.妻が被扶養者か否かで層別し,妻の受診状況を従属変数,ソーシャルサポートを独立変数,年齢を調整変数とした単変量・多変量ロジスティック回帰分析(強制投入法)を行った.
結果:単変量解析の結果,妻が被扶養者の場合(n=626),夫からの情動的および道具的サポートが高い方が,妻は健診・検診を受診していた(情動的オッズ比(OR):1.60,95%信頼区間(CI):1.04-2.46,道具的OR:2.27,95%CI:1.56-3.32).また,多変量解析の結果では,道具的サポートが妻の健診・検診に関連していた(OR:2.23,95%CI:1.50-3.32).しかし,妻が被扶養者でない場合(n=340),どのサポートも有意な関連はみられなかった.
結論:妻が夫の被扶養者の場合,夫から妻への道具的な健康に関するソーシャルサポートが,健診・検診受診を促す可能性を示唆した.

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© 2012 日本健康教育学会
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