日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
原著
運動無関心者の準備性を高める方略としての趣味・余暇活動プログラムの有効性
片山 祐実原田 和弘中村 好男
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 21 巻 1 号 p. 13-25

詳細
抄録

目的:40~59歳の運動無関心者を対象に,ウォーキング情報を用いた介入方法と比較することで,趣味・余暇活動情報を用いた介入方法がプログラム応募率および準備性に及ぼす効果を明らかにすること.
方法:本研究は,社会調査会社のモニターを対象にした介入研究である.対象者は,ベースライン時(T1)に運動行動変容ステージが無関心期に属する1,618人であった.対照群を少なく設定した比率に従って,対象者を無作為にウォーキング群683人,趣味・余暇活動群752人,対照群183人に分類した.ウォーキング群,趣味・余暇活動群には,8週間の携帯メールマガジンが配信された.T1 と8週後(T2)に質問紙調査を行い,運動行動変容ステージを評価した.携帯メールマガジンの配信希望者の割合をプログラム応募率とし,χ2 検定を用いて2群間で比較した.また,準備性に及ぼす効果に関して,T2 で運動行動変容ステージが関心期以上に移行した者の割合を,χ2 検定により対照群を含めた3群間で比較した.
結果:プログラム応募率は,ウォーキング群において18.4%,趣味・余暇活動群において21.4%であり,有意差は認められなかった.一方,T2 において関心期以上へ移行していた者の割合は,対照群が24.5%,趣味・余暇活動群が49.6%,ウォーキング群が71.3%であり,ウォーキング群において最もステージ移行者が多かった(p<0.001).
結論:趣味・余暇活動プログラムは,ウォーキングプログラムと運動無関心者のプログラム応募率は同程度である.一方,趣味・余暇活動プログラムは対照群よりも準備性を高めるものの,ウォーキングプログラムよりもその効果は劣ることが示唆された.

著者関連情報
© 2013 日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top