日本健康教育学会誌
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原著
健診受診男性におけるAUDIT得点と節酒意向との関連
足達 淑子上野 くみ子永本 博子深町 尚子田中 みのり佐藤 千史
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2013 年 21 巻 3 号 p. 216-224

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抄録

目的:男性飲酒者におけるAUDITと節酒意向との関連を検討すること
方法:AUDITを含む自記式質問票による横断調査.健診受診した飲酒男性363名を,AUDIT 7点以下,8~15点,16点以上の3群間で基本特性,飲酒状況,飲酒の効用・デメリット,知識および節酒意向(4件法)を比較した.次いで節酒意向を従属変数に,年齢,飲酒の効用数とデメリット数,翌日への影響,飲酒頻度,飲酒後の後悔,減酒の勧めを独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った.
結果:節酒意向を有する者は8~15点群の42.9%,16点以上群の64.7%とAUDIT得点が高いほど多かった.反面,8~15点群の73.8%,16点以上群の38.2%が節酒助言を受けておらず,適正飲酒の正答率も30%台と低かった.ロジスティック回帰分析からは飲酒頻度(オッズ比 1.62),飲酒後の後悔(オッズ比 1.74),減酒の勧め(オッズ比 1.38)が節酒意向の関連要因として抽出された.
結論:AUDITは節酒意向と関連しており問題が重篤なほど節酒意向を有する者が多かった.飲酒教育におけるスクリーニングには問題飲酒と節酒意向の把握を含めるべきである.

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© 2013 日本健康教育学会
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