日本健康教育学会誌
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特別報告
“自分が何をどれだけ食べたらよいか”のイメージを育てる―「3・1・2弁当箱法」を基礎にした食事・食事づくり法の実践
足立 己幸高増 雅子加藤 勇之助早貸 千代子田中 久子
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2013 年 21 巻 4 号 p. 338-346

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抄録

目的:食からの健康教育のためにさまざまな工夫によるプログラムが実施されてきた.しかし知識や態度の向上は見られても,日常生活での実践につながりにくい.理由の一つに,“望ましい食事”実践のゴールといえる“何をどれだけ食べたらよいか”のイメージ形成に直接役立つ教材が少ないことが挙げられる.ワークショップでは,この課題解決を試行してきた“「3・1・2弁当箱法」をベースにする食事・食事づくり法”(以下「3・1・2弁当箱法」)を取り上げ,実践をめざす行動変容の可能性について検討した.
方法:保健体育担当教諭,養護教諭,栄養教諭や管理栄養士等35名が参加した.(1)発題として料理選択型栄養教育のツールである「3・1・2弁当箱法」の基本ルールとコンセプトのショートレクチャー, (2)健康教育現場での活用事例の紹介と共有,(3)市販弁当を使った食事づくりの体験学習と討論を行った.
結果:「3・1・2弁当箱法」のコンセプトと体験学習の両面からの学習は,参加者自身の“望ましい1食”づくり力形成に使用可能であるととらえられた.しかし,多様な教育現場で,それぞれに可能な学習プログラムで活かすためには,健康教育関係者の連携の中で,この方法の位置づけを検討する必要がある.

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© 2013 日本健康教育学会
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