日本健康教育学会誌
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特別報告
健康の政治的決定要因:注目される背景と研究の可能性
柴沼 晃
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23 巻 (2015) 1 号 p. 50-55

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抄録

背景:平均的な健康水準が改善しているにも関わらず,人々の間には依然として健康格差が存在する.健康格差をもたらす要因には,政策や制度により解消しうるものとしえないものがある.「健康の社会的決定要因」は,人々の健康が,政治や社会,経済的に「本来であれば解消しうる要因」によって強く影響を受けるとの捉え方をする.本稿では,健康の社会的決定要因のうち,政治に関連する要因に着目した「健康の政治的決定要因」について紹介する.
内容:健康の政治的決定要因の定義は論者により異なる.多くの論者は,政府やその他のプレイヤーの能力や政治的意思の欠如,利害対立に着目し,それが健康格差を解消できない原因の一端であるとしている.健康の政治的決定要因に関する研究には,国際保健におけるプレイヤー間の力学やガバナンスに着目した議論もあれば,各国における政治体制の違いや政策の優劣に関する議論もある.前者の例として,国際保健における新たなプレイヤーの参画と健康格差解消への役割に関する研究がある.後者には,政治体制の移行と健康格差に関する研究がある.
結論:健康の政治的決定要因は,経験的には知られている一方,学術的には比較的新しい概念である.異なる視点をもつ研究者が研究を蓄積し,相互に批判を行うことで,健康と政治との関連について明らかにされていくことが期待される.

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© 2015 日本健康教育学会
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