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日本健康教育学会誌
Vol. 23 (2015) No. 3 p. 218-223

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http://doi.org/10.11260/kenkokyoiku.23.218

特別報告

目的:アドボカシーの実践的な定義を示すとともに,グローバルレベルでのアドボカシー実践例としてエイズアドボカシーをとりあげ,その特徴を示すことを目的とした.
内容:アドボカシーとは公共政策の形成及び変容を促すことを目的とする活動であり,活動形態としては,権利擁護,政策提言,ロビイング活動,アドボカシー・マーケティングがある.グローバルな活動としてはエイズアドボカシーが有名であり,途上国へのエイズ対策資金の大幅な増加(2000年の数十万ドルから,2013年の約150億ドル)やそれに伴う新規感染の減少(2000年から2010年の10年間で38%減)に貢献した.アドボカシーを包括的に評価する枠組みとしては6つの評価ポイントがある.その中で,アドボカシー後にみられる「社会規範のシフト」と「影響力の変化」を文献レビューによって分析し,両者において効果が得られていることを示した.しかしながら,一つの疾患に注目が行き過ぎることによって,他疾患対策に遅れが生じうるという問題点もある.特にこのエイズアドボカシーが,非感染性疾患等の対策に間接的に悪影響を及ぼしうるという点には留意すべきである.
結論:アドボカシーは強力である.しかし万能薬ではない.全体のバランスを眺めて調整すべきであるのに.グローバルなレベルではそれが十分なされていない.アドボカシーのプラス面とマイナス面をわきまえたうえで,アドボカシーに積極的にとりくんでいくべきである.

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