日本健康教育学会誌
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短報
小学校における学級担任による給食指導
―栄養教諭・学校栄養職員と相談している教員の特徴―
新保 みさ福岡 景奈赤松 利恵
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2017 年 25 巻 1 号 p. 12-20

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抄録

目的:小学校の学級担任を対象に,学級担任が給食指導で参考にしていることを調べ,栄養教諭・学校栄養職員と相談している者の特徴を検討することを目的とした.
方法:2014年7月,埼玉県A市の教育委員会を通して,市立小学校全32校の学級担任569名に横断的な質問紙調査を行った.調査項目は,給食指導を行う上で参考にしていること,給食指導で行っている取り組み,給食の喫食時間,学級全体の残菜量,属性であった.
結果:解析対象者は456名で,男性143名(31.4%),平均教員経験年数(標準偏差)13.5(12.5)年だった.給食指導を行う上で参考にしていることのうち,選択した者が多かった上位3つの選択肢は「自分自身が家庭で受けた教育」(272名,59.6%),「自分自身が小学校のときに受けた給食指導」(208名,45.6%),「栄養教諭・学校栄養職員と相談」(172名,37.7%)だった.「栄養教諭・学校栄養職員と相談」を選択した者はしなかった者と比較して,女性,給食に関する校務分掌経験がある者,給食が自校式の者が多く,給食指導での取り組み個数が多かった.
結論:学級担任は,自分自身が家庭や小学校で受けた教育を参考に給食指導をしている者が多かった.栄養教諭・学校栄養職員と相談している者は4割程度で,給食に関する校務分掌経験がある者や給食が自校式の者などの栄養教諭・学校栄養職員と関わる機会のある者が多かった.

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