日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
特別報告
ヘルスプロモーションのための人材育成:アドボカシー能力をいかに高めるか?
江川 賢一
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 25 巻 1 号 p. 39-43

詳細
抄録

目的:2016年10月26日に大阪で開催された第75回日本公衆衛生学会総会,日本健康教育学会共催シンポジウム「ヘルスプロモーションのための人材育成:アドボカシー能力をいかに高めるか?」を総括した.
内容:神馬征峰氏はヘルスプロモーションにおけるアドボカシーの概念を整理した.国際保健の成功事例から,国際組織と連携した公衆衛生アドボカシー人材育成の重要性を指摘した.春山康夫氏は2015年から実施している日本健康教育学会の研修事例から,学術団体が保健医療スタッフ・研究者のアドボカシースキルの向上を全面的にサポートする必要性を強調した.中村正和氏はわが国のたばこ対策を例に,アドボカシーにつながる政策研究において学術団体,行政および研究者によるPDCAサイクルを通じた人材育成について提言した.盛山正仁氏はバリアフリー法の成功事例を紹介し,健康政策においても研究者や学術団体が積極的に政策提言することが行政府や立法府の認識を変え,政策実現に貢献できる可能性を示唆した.
結語:学術団体が連携してアドボカシーへの関心を高め,積極的に政策提言し,公衆衛生分野での研究者,専門職,実践者のアドボカシー能力を高めることが急務である.

著者関連情報
© 2017 日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top