日本健康教育学会誌
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特別報告
学校における食育で健康教育・ヘルスプロモーションの評価の考え方を取り入れるには?
第26回日本健康教育学会学術大会における公開座談会の報告
坂本 達昭中西 明美會退 友美稲山 貴代衛藤 久美神戸 美恵子
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2017 年 25 巻 3 号 p. 223-227

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抄録

背景:日本健康教育学会栄養教育研究会では,平成25年度から「学校における食育の評価」についての研究活動を進めている.本稿では,今年度の活動として開催した公開座談会 学校における食育で健康教育・ヘルスプロモーションの評価の考え方を取り入れるには?の概要を報告する.

内容:横嶋剛氏は,文部科学省が公開した資料「栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育」について解説すると共に,各学校において学校評価の中に食育を位置付けることの重要性を指摘した.太田正久氏は,学校における食育を評価するには,抽象的ではなく具体的な目標を設定すること,評価は目的の達成状況および計画の実践状況に分けて行うことの重要性を強調した.赤松利恵氏は,学校における食育の評価のポイントとして,学校における食育の目的は子どもたちの望ましい食習慣の形成であること,PDCAサイクルに基づいて行うこと,理論を活用することの3点を提言した.座談会終了後のアンケートの結果は,非常に満足した:30名,まあ満足した:29名であった(有効回答者62名).

結論:本座談会では異なる立場のパネリストと参加者との討論から,学校という実践の場で,研究会が考える食育の評価を進めることの重要性が再認識され,理論と実践をつなぐ道筋ができた.今後は,学校評価に食育を位置づけるという課題に向き合うと共に,本研究会が考える食育の評価を広く普及していく.

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