日本健康教育学会誌
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実践報告
高齢者地域コミュニティのグループ運動継続に関わる特徴
柴 知里齋藤 義信今村 晴彦田中 あゆみ土村 里佳小熊 祐子
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2018 年 26 巻 2 号 p. 144-154

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抄録

目的:高齢者地域コミュニティのグループ運動継続に関わる特徴を把握する.

事業/活動内容:対象は藤沢市で実施中の身体活動促進のための地域介入研究に参加し,6ヶ月間グループ運動を継続している8グループ(120名)である.研究参加時,6ヶ月後時点で質問紙調査,体力測定,認知機能評価を行った.運動プログラムやモニタリングツールを提供し,定期的なフォローアップや交流会,グループワークを行った.

事業/活動評価:(1)リーダーの特徴と協力者の有無および協力の主体性で8グループを4群に分類し,質問紙による身体活動量,精神的健康,地域とのつながり,個人要因を比較した.(2)グループ向け質問紙,交流会,グループワークの質的情報から,グループの特徴を比較した.結果を統合してコミュニティづくりに重要なルール(自生した規則や制度),ロール(自発的な役割),ツール(道具や資源)の観点からグループの特徴を把握した.活動基盤となるルールは,全グループ共通のルール,円滑なグループ活動を行うためのルール,運動実施・継続のためのルールの3つに分類できた.

今後の課題:ルールが明確なグループには,ロールがあり,効果的にツールを活用できていることが示唆された.住民参加型の身体活動促進の取り組みを通して,グループ運動実施・継続のためのルール,ロール,ツールが把握できた.長期的観察と成果の活用に向けた取り組みが今後の課題である.

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