日本健康教育学会誌
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特別報告
身体活動促進のためのポピュレーションアプローチ:ふじさわプラス・テンの取り組み
齋藤 義信田島 敬之柴 知里小熊 祐子
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2019 年 27 巻 1 号 p. 71-81

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抄録

はじめに:本報告では,身体活動促進プロジェクト「ふじさわプラス・テン」を紹介し,健康教育,ヘルスプロモーションの評価方法・結果の活用について参考となる情報を提供することを目的とした.

内容:ふじさわプラス・テンは,健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)の“プラス・テン(今より10分多くからだを動かそう)”をキーメッセージとして,神奈川県藤沢市と協働で多面的なポピュレーション介入を実施している.本プロジェクトは2013年から2年間4地区で実施し,その効果を前後2回の市民アンケートで評価した(フェーズ1).RE-AIM評価より,住民への到達度は低く,アクティブガイドの知識は向上したものの,身体活動量は変化がなかった.2015年からは,フェーズ1の課題を考慮して全地区に応用した(フェーズ2).介入の到達度向上を目指し,住民参加による普及を意図したグループ運動介入に注力した.グループ運動実施高齢者は1年後に体力が増強し,身体活動・認知機能が維持された.本研究への参加者は1年後に21%増加した.グループ活動を円滑に進めるための特徴をルール,ロール,ツールの観点から抽出・整理し,マニュアルを制作した.これらの成果は市の健康事業などで活用されている.

結論:本プロジェクトはRE-AIMによる評価と戦略の改善により,ポピュレーションレベルの身体活動促進に取り組んできた.そして得られた知見を市の施策に還元し,取り組みを拡大している.日本では取り組み自体の増加に加え,RE-AIMモデルなどの評価の枠組みを活用した普及・実装手法のさらなる蓄積が必要である.

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