日本健康教育学会誌
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「朝食の孤食頻度」, 「夕食の楽しさ」, 「家族満足度」ならびに「学校適応感」が中学生の「主観的健康感」に及ぼす影響
小西 史子
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2003 年 11 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

中学生の「主観的健康感」に影響する要因として, 「朝食の孤食頻度」「夕食の楽しさ」「家族満足度」「学校適応感」を取り上げ, その影響力の強さと要因問の関連を明らかにすることを目的とした.方法は中学生を対象に上記の項目についてアンケート調査を行い, パス解析を行った.その結果, 「夕食の楽しさ」は「家族満足度」を介して「主観的健康感」に正の影響を与えるが, 「朝食の孤食頻度」は逆に負の影響を与える.また「朝食の孤食頻度」は直接的にも「主観的健康感」に負の影響を与える.「家族満足度」は「学校適応感」に正の影響を与え, 「学校適応感」は「主観的健康感」に正の影響を与える.すなわち「家族満足度」は「学校適応感」を介して, 「主観的健康感」に影響を与え, かつ直接的にも正の影響を与えるということが明らかになった.「朝食の孤食頻度」「家族満足度」「学校適応感」の3変数によって, 「主観的健康感」の分散の41%が説明され, 3変数の中で最も影響力の強いものは「学校適応感」であった.このように構築されたパスダイアグラムを男女別にみると, 女子は男子より「主観的健康感」に与える「家族満足度」の影響が強かった.学年別にみると, 2年のとき「主観的健康感」に与える「家族満足度」の影響力がもっとも強くなった.〔日健教誌2003; 11 (1) : 1-11〕

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