日本健康教育学会誌
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中高年女性の生活習慣改善に対する自己効力と影響要因
柴辻 里香安酸 史子
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2003 年 11 巻 2 号 p. 77-91

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抄録

本研究では, O市保健所で実施されている「生活習慣病予防教室」受講者の生活習慣改善に対する自己効力への影響要因を明らかにし, さらに生活習慣改善に対する自己効力と影響要因との関係を検討することを目的とした.まず, フォーカス・グループ・インタビュー法を用いて質的に検討した後, インタビューの結果から作成した質問紙による量的調査を加え, 質量からの検討を踏まえて考察した.
質的調査は, 受講者グループ (平成10年度の女性受講者5名) と専門職グループ (教室運営に関わる専門職8名) に対して実施した.量的調査では, 平成9年及び10年度の女性受講者287名を対象に, インタビューの結果, 自己効力を高める可能性があると推測された情報源23項目の体験頻度及び食生活改善と運動習慣改善に対する自己効力の程度 (ともに10点満点) についてアンケート調査を実施した.有効回答188名 (有効回答率65.5%) を分析対象とした.
その結果, 食事自己効力は6.73±1.60 (平均±S.D.) , 運動自己効力は6.77±1.93 (平均±S.D.) であった.情報源23項目のうち, 成功体験と自己教示に関する3項目で食事自己効力と運動自己効力ともに有意な関係が認められた (p<0.05) .また, 非効果的な代理的経験や他の参加者への目標の宣言, ポジティブな生理的・情動的反応の認知に関する6項目で, 運動自己効力と有意な関係が認められた (p<0.05) .

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