日本健康教育学会誌
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行政事業協力型保健ボランティア活動の類型化と運営の特徴
奥野 ひろみ
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2008 年 16 巻 4 号 p. 163-175

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抄録

目的: 行政事業協力型保健ボランティア活動を類型化し, その組織運営の特徴と活動結果を明らかにする.
方法: 調査は, 全国市町村保健センター要覧より系統抽出した1, 175区市町村保健センターに対し, 自記式質問紙の郵送法により行った.調査項目は, 活動内容, 組織運営, 活動結果, 人口状況である.分析は活動内容の尺度得点を用いてクラスタ分析をおこなった.このクラスタ問で調査項目の比較を行った.その結果, 606 (51.6%) の回答を得, そのうちボランティア活動を行っている511 (43.5%) で分析を行った.
結果: クラスタ分析をおこなった結果「育児サポート型」, 「活動低調型」, 「料理サポート型」, 「成人サポート型」となった.「活動低調型」は全体の56.0%ともっとも多かった.「育児サポート型」, 「成人サポート型」, 「料理サポート型」は活動項目数, 実施回数率, 延べ参加者率, 実施箇所数が高値であった.またボランティアが活動目標を決定していた.
結論: 保健ボランティア活動担当のスタッフには, 事務局の役割を果たすとともに, ボランティア活動の類型を把握し, その特徴に合わせて自発性を活かす自律的な小集団活動をサポートすることが重要であると示唆された.

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