日本健康医学会雑誌
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エチオピアの乾燥・半乾燥地流域における生活用水のフッ素濃度及び農民の健康調査
本間 和宏若菜 宣明軣木 喜久江真田 篤史篠原 卓鈴木 伸治穂坂 賢安藤 達彦田中 越郎
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2012 年 21 巻 2 号 p. 95-100

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抄録

乾燥・半乾燥地域であるエチオピアのオロミヤ州は,総降雨量が少なく,かつ降雨時期も偏在している。その結果,作物の生産性に乏しいだけでなく,生活用水の不足も生じているのが現状であり,住民に何らかの健康障害が発生していることが考えられる。しかしながら,この地域の生活用水の質に関しての詳細な調査はほとんど行なわれておらず,また住民の健康に関しても,我々の先行研究では歯や骨に異常のある住民を見出しているものの,健康に関する調査はほとんど行なわれていない。この異常がフッ素の過剰摂取の可能性があるため,我々は,この地域の生活用水のフッ素濃度を測定し,さらにこの生活用水を使用しているアナノ,ドドタ,ガルビの3地区の住民について健康調査を行なった。その結果,歯に異常をきたす2mg/L以上のフッ素量を含む水を使う地域があった。ガルビの井戸水のフッ素濃度は,7.7mg/Lであり,この地区の12歳以下の子供38.2%に斑状歯様の黄褐色に変色した歯が見られ,フッ素の過剰摂取による影響が考えられた。農民は,やせが多く体重や筋肉量が日本人より低値を示し,小児の一部は,腹部がふくらみ,クワシオルコルが疑われた。これらには,栄養不足,とくにたんぱく質摂取不足が関連すると考えられた。

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© 2012 日本健康医学会
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