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日本健康医学会雑誌
Vol. 26 (2017) No. 1 p. 2-6

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http://doi.org/10.20685/kenkouigaku.26.1_2

原著

健康に関する情報を主体的に選択・活用していく能力としてヘルスリテラシー(以下HL)という考え方がある。高齢期を迎えているブラジルの日系永住者の生活環境はHLに大きな影響を与えると考えられる。しかし,ブラジル在住日系高齢者のHLについて調査された研究はない。そこで,本研究では,ブラジル在住日系高齢者のHLと言語環境との関連を調査した。研究デザインは横断研究とし,言語環境や生活環境,およびHL(The14─item health literacy scale for Japanese adults ; HLS-14)について65歳以上のブラジル南部在住の日系高齢者に質問紙調査を行った。その結果,分析対象は52名(うち女性28名)であった。HLと,言語環境およびブラジルでの教育の有無による違いについて調査した結果,HLに男女差はみられなかったが,年齢が高いほど機能的HL, 伝達的HL, HL合計において得点が低いという有意な逆相関が認められた(p<0.05)。すなわち,高齢であるほどヘルスリテラシーが低い状態であることを示した。また,言語環境では,有意な差は認められなかったものの,対象者自身が伯語を話せるほど機能的HLが高い傾向と,ブラジルで教育を受けた経験がある者はない者より機能的HL, 批判的HLとHL合計が高い傾向にあった。そのため,今後はHLや年齢など対象者の特性にあった保健指導を行う必要が示唆された。

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