日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
原著
男性看護師と女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトの比較
鈴木 康宏
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2017 年 26 巻 2 号 p. 86-92

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抄録

男性看護師と女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクト(以下:WFC)を比較するために,質問紙を用いて仕事と生活の実情ならびにコンフリクトの強さについて調査を行った。

一般病床数200床以上の病院に勤務する男性看護師および同じ病院の産婦人科以外に勤務する女性看護師を調査対象とし,WFCスケール日本語版18項目および調査対象の背景に関する20項目について自記式質問紙調査を行った。調査期間は2016年1月であった。調査協力のえられた86施設,4098名(女性2403名,男性1695名)に配布し,1985名(女性1251名,男性733名,性別不明1名)より返信があった。分析には回答項目に欠損値がない1735人分(女性1081名,男性654名)のデータを用いて男性と女性に群別し比較を行った。

男女でのWFCスケールは,WFCの平均値(SD)は女性が51.2(10.2),男性が49.6(10.5)であり,Welchのt検定の結果,p=.001であり有意差が認められた。加えて,ダミー変数を用いて性別を独立変数として投入し,WFCを従属変数とした線形重回帰分析を行い,R2=.093,Adjusted R2=.086,F-statistic=12.65,p<.001であった。性別では男性を1としたときの偏回帰係数は-1.665とマイナスであり,男性のWFCが低くなることを示していた。

男性と女性を比較した結果,女性のWFCが高い傾向にあることが明らかとなった。また,性別以外にも残業時間や通勤時間,希望部署,看護師養成学校の違い,配偶者や子どもと同居していること,介護者の有無,認定資格の有無,役職の有無,仕事を続けている理由がWFCに影響があると明らかになった。

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