日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
症例・事例報告
地域密着型サービス利用者の認知症重症化予防のためのケア
~ふみふみカルタを使ったレクリエーションゲームの試み~
小石 真子古谷 昭雄田中 富美子阿部 真幸
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2020 年 29 巻 1 号 p. 84-88

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抄録

地域密着型サービス事業所5か所(グループホーム3か所,認知症対応型通所介護1か所,小規模多機能型居宅介護1か所)の利用者32人(男性7人,女性25人,平均年齢84.3歳,75歳から95歳)のレクリエーション活動の一部に「ふみふみカルタ」を継続して用いることで認知症の重症化予防を試みた。ふみふみカルタとは,著者らが介護保険の給付を受けずに生活している高齢者や通所介護の利用者に対して開発されたカードゲームであり,運動・認知・口腔機能の向上を目指したレクリエーションゲームの内容に認知症の重症化予防のための残存能力を引き出す項目を加えたものである。平成28年4月~平成30年6月の期間において,レクリエーションの時間帯に介護職員が「ふみふみカルタ」の進行役となり,カルタを週に1回,3か月間行い,認知機能の変化を認知症の行動障害スケール(Dementia Behavior Disturbance Scale: DBD13)を用いて調べた。ふみふみカルタ実施前は16.8±8.0であったDBD13評点がカルタを3か月実施後に14.1±8.3に低下(p<0.001)しており,このカードゲームに認知機能重症化予防効果のあることが示された。

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