1947 年 13 巻 44 号 p. 192-201
前報告において筆者は理想的な一自由度のポンプ系のサージングを理論的に取扱い,これを水管系の弛張振動として説明した.しかし實在するポンプ系については,必ず二自由度以上の系として取扱わねばならないので,本論文においては多自由度の振動系の安定性および弛張振動の概念を導入して,直列および並列の管系の安定問題を述べた.これによつて從來一貫した説明を與えることができなかつた單獨の性能と使用時とのポンプのサージングの差異・管系の他の部分の特性のサージングにおよぼす影響・空所發生の影響・ポンプの並列運轉時の安定性の問題等に關して理論的に一貫した基準を與えた.