1948 年 14 巻 48-3 号 p. 17-25
筆者は既報においてタンクを含む管路を有し,振動論的に有限自由度の系とみなし得るようなポンプ系のサージングその他の不安定現象の發生機構および形態について詳しい理論的考察を行つた.しかしながら,ポンプの場合でもタンクを含まない長い管路中にサージングが發生する場合,あるいは普通送風機を使用する場合のごとくタンクを有せずただ管路のみで使用する場合にあつてはこれを有限自由度の系として分割して議論することは困難であり,また,そうしては現象の眞相を見失うおそれがある.それで本報告においては,これらの系を連續體として議論を行い,連續體としての安定性の判定法,矩形波の發生その他の特徴的な性質を示した.